次に、実際この実験で確認されたカキ殻の効果やカキ殻による河川浄化のメカニズムについて簡単に説明します。
カキ殻を投入することで,最も変化した点は,河川のCODが激減したことでした。新川のCOD値が牡蠣ガラを投入したところは1〜2に対して,カキ殻を投入したところの15m上流は7〜8でした。
更にカキ殻を投入したところのカワニナの数が目視でも明らかなほど増えていましたので,カワニナの数の把握を致しました。
新川,川幅(5,8m)を横断する形の1m範囲に生息するカワニナの数
カキ殻を投入したところ    ・・・・・・・・約423匹
カキ殻を投入したところの15m上流・・・・・約156匹
これが実際にカウントしたカワニナです。右側が上流部。左側が設置箇所です。
石灰質の地質の川で貝類が飛躍的に発生するという報告があります。貝殻も言ってみれば石灰質ですから,同じ原理です。
なぜカキ殻か?というのにはいろいろ理由があります。これはカキ殻の作用をまとめたイラストです。(拡大版)
一番大きな理由は,カキ殻のカルシウムが水中のリンと結合して沈殿・・・そして水質が浄化されるということです。底泥中には大量のリンが存在しています。しかし汚染が進むと,底泥中のリンが水中に溶け出し,河川の富栄養化の原因になります。この水中に溶けたリンをカキ殻のカルシウムにより,沈殿して再び土に帰すのです。
また,カルシウムが河川の有用微生物の栄養源になって,浄化されるということも一因にあります。またカキのゴツゴツした部分は微生物が定着しやすく,浄化が進む・・・ということもあります。
また、カワニナなどの貝類は様々な有機成分や,有害物質を食べることで知られていますので,貝類の増殖が川の水をきれいにしているということもいえると思います。